さすが芸能人、いずれも、一般ピープルには考えられない、若々しさを保っている。 そして、この「芸能人はなぜ老けない」との問いかけに対する答えを考えてみた。
一説には「芸能人はカメラが顔を磨き、カメラが年齢を削る」と言われるが、確かにそれも一理ある。 しかし、今、俺は、また別の答えにも確信をもっている。 それは、芸能人は、胎盤エキスを愛用しているからだ!!
成功者たちの不老へのパスポート
俺が、この自説に太鼓判を押せるほどに、 芸能界では胎盤エキスの流行が続いている 。そのブームには、ホワイトバンドのCM以上に、こぞって大物芸能人が参加していると言っても過言ではない。
例えば、インターネットで「胎盤エキス 芸能人」と検索してみたとする。この本で俺と対談している杉本彩さんを筆頭とした、胎盤エキスの愛用者であることを公言している人たちに加えて、(真偽はともかく)木村拓哉、神田うの、川島なお美、森光子、中山美穂、叶姉妹なども使っている(いた)との情報が出てくるだろう。
言ってみれば、胎盤エキスは、効なり名を遂げた成功者たちの見果てぬ夢= “不老”へのパスポート と呼号され、老体から若い身体にそっくり移し替える魔法として、政財界、芸能界、スポーツ界等々、各斯界に君臨中なのである。
そんな胎盤エキスにまつわる資料を読むたびに、俺が思い返すのは、手塚治虫の名作『火の鳥』のこと。
ご存知の通り、同作品では人類普遍の夢である不老不死の妙薬、火の鳥の生き血を求めて、時空を越えて物語が展開していくのだが、実は、胎盤エキスにも悠久の歴史があり、数多の著名人がその効果にあやかろうとした姿がかの名作ストーリーにオーバーラップするのである。
さて、そんな胎盤エキス治療についてであるが、俺は相当詳しい。
芸能界きってのエキスパートと言ってもいいだろう。
なにしろ、この大ブームが訪れるかなり以前から胎盤エキス治療を経験しており、さらに言えば、日本における胎盤エキス治療の第一人者ともいえる名物医師と長年懇意であるからだ。
その医師こそが、『こうじんクリニック』の越智康仁先生である。【脚注1】
胎盤エキス治療の第一人者
そもそも、この越智先生、芸能界では昔から知る人ぞ知る有名人であり、とりわけビートたけしマニアには、その名をよく知られている。
なにしろ、 80年代に一世を風靡した深夜放送『ビートたけしのオールナイトニッポン』で、素人にもかかわらず、たびたび、その言動が話題になっていたからだ。
当時、越智先生は広島の駅ビルに診療所を構える、先祖から代々続く開業医であったにもかかわらず、週末になると六本木に現れては芸能人やスポーツ選手と豪遊していた。
「上はフランク・シナトラから、下はダチョウ倶楽部まで」といわれた、そのあまりにも広すぎる交友関係は殿(ビートたけし)を驚嘆させ、殿がどこで飲んでいても、必ず見つけ出しては合流する、その神出鬼没な行動力から “夜の大走査線”と仇名されたほどだ。
たけし軍団の駆け出しの頃の俺は、金魚の糞の如く軍団のお兄さん方の付き人として付き添い、それこそ夜な夜な呼び出されては、この酒宴を共にしてきた。
しかし、正直に言えば、饗応の酒や六本木の派手なクラブ活動などを好まない体質の俺は、「遊んでばっかりでホントに医者なのかよ!」と内心では冷ややかに、その様子を見ていたのだ。
そんな折、当時の俺は毎冬、扁桃腺が腫れ、高熱を発する病弱な体質であったことから、「なんとか扁桃腺を切れないものか?」と相談すると、「それは切らなくても治るぞ!」と言われ、その時はまだ名前も知らなかった胎盤エキス入りの注射を喉に打ってもらったのだった。(脚注2)
すると不思議なことに、俺の扁桃腺による発熱はその後、ピタリと止まったのである。
それ以来、俺の先生に対する印象が、赤ひげ薬局の社長レベルから、黒澤映画の赤ひげ先生、あるいは正体を明かしたブラックジャックを見るかのように一変したのだった。
その後、越智先生も、1994年にがんを患い、死線を彷徨い、その死の淵から無事生還したのをきっかけに、ここを先途と生活態度を一変。今やすっかり、ギラギラ、豪快なイメージもなく、面倒見の良いお医者さんであり、俺の “異常な健康”の一番の相談相手になっているのだ。
越智先生と胎盤エキスの出会い
もともとは産婦人科医であった越智先生であるが、東洋医学への関心、アンチエイジング治療への興味から、胎盤エキス治療と出会い、日本で最初の専門医となって 1998年に東京に「こうじんクリニック」を開業する。
現在では、俳優、歌手、モデル、スポーツ選手、果ては政財界の大物まで、その顔ぶれを列挙すれば民放の改編期の特番を作れるほどの錚々たるメンツが、足繁くこの医院に通っているのである。
数々の著名人が絶大な信頼を寄せる、こうじんクリニックの胎盤エキス療法とは、一体どのようなものなのか? 今回、改めて越智先生に話を訊いてみた。
俺にしてみれば、 20年来の付き合いなので、何度も聞いている話ではるが、読者の皆さんには、芸能人若返りの秘密に迫る“潜入”レポート、と言うより、“注入”レポートとなるであろう。
まずは、越智先生と胎盤エキス療法の出会いについて。話は今からおよそ 15年前に遡る。
「スイスのレマン湖のほとりに、『ラ・プレイリー』というアンチエイジングの治療で世界的に有名なクリニックがあってね。ハリウッド女優や政治家など世界各国から集まった人たちが2〜3ヶ月も滞在するって聞いて、どんな治療をしているのか興味が沸いてさ。それで今から 15年ほど前に、僕も訪れてみたんだけど、そこで、 アンチエイジングの本命 ってことで出会ったのがプラセンタ(胎盤)の注射だったんだよ。で、実際にやってみたら、これが確かに効いてさ。というのも、その治療の後すぐ、僕は1ヶ月くらいかけて世界一周旅行みたいなことをしたんだけど、すごくハードなスケジュールだったにもかかわらず、まったく疲れなくて。実際、帰国後に受けた血液検査や心電図なんかのデータも、すべて出国前より良くなっていたんだよね。それで、これは、すごいぞってことで、独自に研究を始めたんだよ」
当時、欧州の胎盤エキス治療は羊の胎盤をすりつぶして注射する方法が主流であったが、より効果と安全性の高いものを探していた越智先生は、動物の胎盤よりも人間の胎盤の方にすべきとの確信と研究の末、(株)日本生物製剤が製造販売する100%人間の胎盤由来の胎盤エキス製剤「ラエンネック」に辿り着く。
「人間の胎盤を薬にする」と聞くと意外と思う人も少なくないだろうが、このラエンネックは戦後間もなく製剤化の研究が始まり、1959年には肝硬変の医薬品として国から許可を受けているのである。
ただ、「僕が胎盤エキス療法を始めるまでは、医者の間でもその存在はほとんど知られていなかった」と越智先生は当時を振り返る。
「もう一種類、更年期障害の治療薬として認められたものもあるんだけど、昔、産婦人科だった僕ですら、 “えっ! こんな薬あったの?”って思ったくらい、人間の胎盤を使った薬は、まだ当時は全然メジャーじゃなかったんだよ」
さて、このように人間の体にさまざまな作用を示す胎盤とは、そもそもどんな組織なのだろうか?
胎盤とは何か?
ここからは、文献を紐解く、いや、 “臍(へそ)の緒を紐解く”ような話になるが、やや専門的、説明的になるので、俺なりの例えを交えながら説明していくことにしよう。
胎盤とは、「子宮内壁に着床した受精卵が分化し形成される海綿状・盤状の器官」であり、「胎児と臍帯 (さいたい)によってつながり、母体との物質交換を仲介する」ほか、「生まれるまでのおよそ十ヶ月の間、呼吸、代謝、排泄、内分泌などすべての生命活動を司る役割」を果たしている。
つまり、胎盤は母親に成り代わって、お腹の中にいる胎児の “体内の乳母”であり、そのエキスは妊娠時に臍の尾を通して母体から赤ん坊に送られる、ミルク代わりの栄養素と言えばわかりやすいだろうか。
子供を育てるわけだから、胎盤に含まれる成分は、アミノ酸、ビタミン、ペブチド、ミネラル、酵素、核酸など実に多種多彩である。
さらに、胎盤には固有の有効成分として多種類の細胞増殖因子が含まれていることも、胎盤エキス療法が注目を集める大きな要因となっている。
あの精子の小さなオタマジャクシが、細胞分裂を繰り返し、ちゃんと人間へと形作られていくのは、考えてみれば不思議な話だが、その設計図こそが先祖から受け継ぐDN Аであり、そして、その設計図通りの形態になるよう、胎児の細胞の増殖を巧みにコントロールするのが、細胞増殖因子の役割なのである。
胎児が生まれた後、この細胞増殖因子は通常3歳くらいまで体内で旺盛に分泌され、成長期が終了する 18歳を過ぎる頃から急激に分泌量が減少していく。
最近の研究では、この細胞増殖因子の減少と老化の進行が相関関係にあるとも言われている。
なるほど。細胞増殖因子を摂取できることから、 “火の鳥の生血”のごとく、胎盤エキスの若返り効果が注目されるようになったというわけだ。
人間の組織の中で、これだけ多種類の栄養分が見つかる場所は胎盤だけであり、それゆえ、その特殊な生理活性を利用した療法は、実はかなり歴史が古い。
例えば、古代中国では秦の始皇帝が不老不死の妙薬として用いていたと言われ、文献として残っている最古の物には唐の時代に編纂された漢方医学書『本草拾遺』がある。
さらに明の時代になると、医者の李時珍が自著『本草綱目』において「紫河車(しかしゃ)」の名で胎盤を紹介。美容・強壮剤として、あの楊貴妃も愛用していたという。
日本でも江戸時代、加賀(石川県)の三大秘薬の1つとして知られた混元丹には、この紫河車が含まれていたとのこと。母親が赤ちゃんの ”へその緒”を保存する風習が残っているのは、蘇生薬として用いられていたその当時の名残りとも言われている。
一方、西洋に目を転じてみると、紀元前4世紀に古代ギリシャの医師ヒポクラテスが治療に胎盤を利用していたと伝えられ、その後の中世ヨーロッパでは不妊症や脳卒中、てんかんの治療などに用いられていたようだ。また、クレオパトラやマリー・アントワネットは、若返りや美容の目的で愛用していたという記録も残っている。
そして、近代医学において胎盤の効用に光が当てられたのは、1933年のこと。
旧ソ連オデッサ医科大学の科学者、フィラトフ教授が冷凍した胎盤を皮下に埋め込む組織療法を発見したのが、その最初である。それをきっかけに、世界各国に胎盤を使用した組織療法が紹介され、チャーリー・チャップリン、オードリー・ヘップバーン、ダイアナ元英国王妃、チャーチル首相、アイゼンハワー大統領、ネルソン・マンデラ、マドンナ、ティナ・ターナー、エリザベス・テーラー、バーバラ・ストライサンド、ソフィア・ローレンなど、数多の愛用者を生んできた。
越智先生考案の「胎盤エキス・ツボ注射」
では、本題に入ろう。
はたして、実際に胎盤エキス療法を受けると、どんな効果が現れるのだろうか?
「まず、細胞の新陳代謝、血液循環も改善するから、なにより若さの保持に有効だな。美肌効果もあるし、特に肌あれはしなくなるから、化粧品にも、今、ドンドンつかわれるようになってるな。疲れにくくもなる。これは栄養ドリンクなんか目じゃない。関節痛や筋肉痛の解消にも効果がある。免疫力が向上するから、予防医学という意味でもいいね。あと、二日酔いだったら、この点滴を打つだけでOK。一番、わかりやすいよ。もう吐きながらきたような人でも、終わった頃には『また今日も飲みに行っちゃおうか』って感じにまで回復するよ」
そう言えば、大阪のバラエティー番組で共演する、元プロ野球選手であり、名うての酒豪としても知られる金村義明さんは、二日酔い対策として、胎盤エキス注射を週に数回打っている。
さすが、現役時代のニックネームは「いてまえ大将」。何度か、俺も酒席を共にしたが、その飲酒時間の長さ、酒量も半端なものではない。命がけで飲んでいるとしか思えないほどであった。当然、二日酔いも深刻であり、動くこともママ成らぬ状態でも、カンフル剤の如く胎盤注射で超回復を心がけているのだろう。
さて、胎盤エキス治療は、今や、日本でもポピュラーではあるが、その摂取の方法には、さまざまにあり、越智先生のやり方は、いささか独特である。
先生は、かつて台湾で東洋医学 (中) を学んだ経験から、胎盤エキスによる独自のツボ注射を行なっているのだ。
都内にも、数多ある胎盤エキス治療院のなかで、こうじんクリニックがこれだけ多くのVIPの信頼を獲得しているのは、ひとえにこのオリジナルの治療法を実践しているからだろうと、個人的には分析している。
「 “水針療法”っていうのが中国医学にあってね。ビタミン剤とか生理食塩水をツボに打っていく治療方法なんだけど、僕は今から 30年前、台湾に針の勉強で行った時に、それを初めて知ってね。普通の針治療よりも格段に効くっていうから、その場ですぐにお願いして教えてもらったんだよ。帰国後、当時僕は広島に住んでいたから、高橋慶彦とか広島カープの選手にさっそく試したら、これがすごく好評で。それで、この水針療法を応用して、胎盤エキスを使ったツボ注射療法を思いついたんだよ」
この療法では、一回の治療で全身の 12〜30ヵ所のツボに6〜15)アンプル分(12〜30ml) の胎盤エキス注射を打つ。先述のラエンネックの基本的な用法・用量は、成人1日1回、アンプル1本分(2ml)というのだから、かなり大量の胎盤エキスを摂取することになる。もちろん、大量投与による副作用はほとんどないと言う。
「万が一、副作用があったとしても、蕁麻疹くらいのだね。それも、僕はこれまで5000人以上にこの注射を打ってきたんだけど、 10人くらいだけだよ、副作用で蕁麻疹が少し出たって言う人は。だって赤ちゃんを育てる成分以外入ってないわけだから、そりゃあ安全だよね」・・・・・・・
中略
芸能人はなぜ老けない?
芸能人はなぜ老けない ――。
この問いかけの 1つの解答をわかっていただけたであろうか。
しかし、考えてみれば、本来、芸能人に限らず、人は若返りを夢見るのをやめて、歳相応に自然と老いていくことを受け入れるべきかもしれない。
そうとはわかっていても、そのメカニズムをわかって老いたい、より健康に老いたい、若々しく老いたいなどと、もたげる欲望はキリがない。
芸能人はその欲望に忠実なこと、その執念が誰より勝ること。
その思い込みそのものが、究極の若返り効果なのだろう。
【注】100%人間の胎盤に由来するが、安全対策のため、提供者には血液検査を義務づけ、B型肝炎、C型肝炎、エイズ、成人T細胞白血病などの対象ウイルスすべてに陰性であるかをチェックする(ドナーズ・スクリーニングという)。また胎盤からエキスを抽出する前にも、再度同じウイルスの有無を調べ、さらに、121 ℃で 20分間加熱減菌をする。ちなみに「ラエンネック」とは、肝硬変が独立疾患であることを確認したフランスの学者の名前である。
【注】1984年、適応症拡大により「慢性肝疾患における肝機能の改善」の薬効再評価が公示される。現在、世界的に見て、人間の胎盤エキスが認可されているのは、日本と韓国だけである。
【注】治療代は、初診料が1万円。ツボ注射、点滴療法ともに1万 5000円。医薬品としての認可の内容と病名や用量が異なるため、保険は適用されない。 |